特定自主検査とは
特定自主検査とは、労働安全衛生法45条2項に基づき、一定の機械について、厚生労働省令で定める資格を持つ検査者(事業内検査者)または登録検査業者が行う検査です。対象となるのは次の5種類の機械で、いずれも年に1回(不整地運搬車は2年に1回)の実施が義務づけられています。
- フォークリフト
- 車両系建設機械(整地・運搬・積込み・掘削用/基礎工事用/解体用)
- 不整地運搬車
- 高所作業車
- 動力プレス
根拠は労働安全衛生規則(e-Gov法令検索)です。検査を怠った場合などには50万円以下の罰金が科されることがあります(労働安全衛生法120条)。
始業前点検・定期自主検査・特定自主検査の違い
同じ機械に対して、頻度と実施者の異なる3つの点検・検査があります。混同しやすいので整理します。
- 作業開始前点検:作業前に毎日実施。実施者の資格制限はなく、記録の保存義務はありません。
- 定期自主検査(月次):1か月以内ごとに1回。実施者の資格制限はありませんが、記録を3年間保存する必要があります。
- 特定自主検査(年次):1年以内ごとに1回(不整地運搬車は2年)。有資格者または登録検査業者が実施し、記録を3年間保存し、検査済みの標章(検査年月)を貼付します。
このうち、台帳での管理が必要になるのは記録の保存義務がある「月次の定期自主検査」と「年次の特定自主検査」です。
機種ごとの検査周期
年次(特定自主検査)の周期は機種によって異なります。
- フォークリフト・車両系建設機械・高所作業車:1年以内ごと
- 不整地運搬車:2年以内ごと
- 動力プレス:1年以内ごと(年次の特定自主検査が中心)
月次の定期自主検査は、フォークリフト・車両系建設機械・高所作業車・不整地運搬車で1か月以内ごとに必要です。機種が増えると周期の管理が煩雑になるため、特定自主検査チェッカーで機種ごとの周期と次回期限の目安を確認できます。
記録の3年保存と標章
検査記録には、実施年月日・検査の方法・検査の結果・補修等の措置・実施者の氏名などを記載し、3年間保存します。記録は電磁的方法(パソコン・クラウド)で作成・保存しても差し支えなく、必要なときに表示・出力できれば書面に代えられます。
特定自主検査を行った機械には、検査を実施した年月を明らかにする**標章(ステッカー)**を見やすい箇所(運転席付近など)に貼付します。
罰則と令和8年の基準改正
検査・記録・保存を怠った場合、50万円以下の罰金が科されることがあります(労働安全衛生法120条)。
令和8年(2026年)1月1日からは、これまで指針として示されていた検査項目が、大臣告示「特定自主検査基準」として法的拘束力を持つ基準に格上げされました。検査項目や記録の様式は、所轄の労働基準監督署や安全衛生情報センター、建設荷役車両安全技術協会(建荷協)の案内で最新のものを確認してください。